映画『初恋』は恋愛映画に見せかけた三つ巴バイオレンスアクションだ!

映画レビュー窪田正孝

余命僅かな天才ボクサーが出会った少女。

警察・ヤクザに追われる2人が巻き起こす奇跡の一夜とは…。

今回は、実力派若手俳優・窪田正孝さんと新人女優・小西桜子さんがW主演を務めた三池崇史監督最新作『初恋』についてご紹介していきます。

あらすじ

将来有望、目覚ましい才能を持ちながら、余命宣告をされてしまった孤高のボクサー・レオ。

彼が偶然出会った少女・モニカはヤクザ・警察に追われる重要人物だった。

夜の歌舞伎町を必死に逃げ回る2人。組織入り乱れる血みどろの戦いの末、彼らに朝はやってくるのか…。

近年では小説や漫画の実写版も数多く手がける三池崇史監督渾身のオリジナル作品。タイトルからは想像もできない容赦ないバイオレンス描写が印象的な、ハイテンション・アクション・ラブストーリーの傑作でした。

本作の見どころは、何といっても恋する男女・ヤクザ・警察からなる予測不可能な三つ巴の追跡劇

警察を演じた大森南朋さんや、出所したヤクザの親方を演じた内野聖陽さんなど、それぞれの立場を演ずる個性派俳優たちの配役も絶妙で、ヤクザ映画警察映画としての魅力も感じさせつつ、わずかながらも恋愛映画として完成された唯一無二の世界観が秀逸な一作でした。

また、ベッキーさん演じるヤクザの彼女・ジュリが暴走する演技も凄まじく、過去の演技史上、最も体を張っている彼女の熱演にも注目して欲しいところ。

それぞれの立場が状況によって変化していく予想外の展開もお見事で、特に本作一番の見せ場となるクライマックス・ホームセンターでの抗争シーンでは、生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれた登場人物たちが、いかなる選択をするのかに注目して欲しいです。

三池崇史ワールドに帰ってきた窪田正孝さんの熱演

ところで、主演を務めた窪田正孝さんは本作で三池監督とは2度目のタッグ。

初めてのタッグは、2008年にテレビ東京にて放送されていた特撮ドラマ『ケータイ捜査官7』で、こちらはデビュー当時の窪田正孝さんが全国区で知られるようになった大きなきっかけの作品でもありました。

子供向け番組とはいえ、エピソード監督に映画『デスノート』シリーズの金子修介さんや、『機動警察パトレイバー the Movie』シリーズを手掛けた押井守さんを起用するなど、かなり力が入ったこの作品は今でも熱狂的なファンを持つ人気作。

本作『初恋』を見ると、かつて窪田さんが『ケータイ捜査官7』にて演じた主人公・網島ケイタに通ずる部分も感じるかもしれません。

 

例えば、劇中、はじめて銃を使うことになった主人公・レオが動揺しながらも、銃を少しずつ使いこなすようになる展開は、話数が進むにつれ、段々とたくましくなっていった網島ケイタの姿にも通ずるような気がします。

そのため、過激なバイオレンス描写も盛り込まれた本作は、大人になった『ケータイ捜査官7』世代の子供たちにこそ響くアクション映画と言えるのかもしれません。

 

久々の三池崇史監督オリジナル脚本作品という形で満を持して公開された本作。

様々な存在が入り乱れて戦いを繰り広げるという作風は、実は監督の過去作『妖怪大戦争』や『極道大戦争』にも連なるテーマであるため、ファンなら確実に楽しめるはず。

そして、物語の核心となるラブストーリーが果たしてどのような結末を迎えるのか。

単なる恋愛映画では終わらない、「愛する者と共に生きることの素晴らしさ」を感じさせるクライマックスにも、是非、期待して欲しい一作です。